〜「小さな世界」〜


例えばビジネスにおいて、何か大きな問題が起こった時、あなたはどう行動するでしょうか?
上司に報告?はい、それは正解です
では、あなたが上司の立場だったらどうしますか?

大きな問題がなぜ起こってしまったのか?その前の、まだ問題が大きくなかった所まで、遡って追求する必要がありますよね

大きな問題の前、中くらいの問題の前、普通の問題の前、小さな問題の前…


「問題」とは、大きくなればなる程、厄介になります



上記の例で言えば、最終的には「問題」になる前に何とかならなかったのか?という事です

「問題は小さな内に解決すれば、より、最適に処理出来るのではないか?」という事です



この「大きな問題」が、過去、物理学で起こりまくったのです



最も分かりやすい現象を一つ

紙に「平行な二本の線」を書いてみて下さい。数学の「イコール」です



さあ問題です、その平行な二本の線を無限に伸ばした時、いつか二本の線は交わる事になるでしょうか?




そうです。交わりません。だって「平行線」なのですから

それこそが、数学、物理学の「大問題」




実際に計算すると「平行な二本の線」は、無限などという言葉を使わなくても簡単に「交わる」のです

ここが(詳しく説明すると終わらないので、さらに知りたかったらググって下さい)「新しい物理学」と「古典物理学」の天下分け目の戦場

「平行する二本の線は交わる」って事で何とか手を打った科学者達

しかし彼等は「問題」探しの天才です

「大きな問題」にぶち当たる度、決して諦める事なく、どんどんどんどん「小さな問題」を追求しまくる

するとどうでしょう?それまでは物質の最小単位とされていた「原子」よりも、さらに「小さな大問題」にぶち当たります




「原子」を構成する「粒子」の発見

もう訳の分からない世界へと進む科学者達





ここまで来ると、ビジネスにおいて何か大きな問題が起こっても、あまり遡って小さな問題まで追求して考えない方が良いような気になって来ます


科学者達もさすがに後悔して「古典物理学」とは別に「小さな世界」を含めて理解する「量子力学」を確立し、量子力学を利用する「現代物理学」を生み出したのです
(余談ですが、この辺りまでググったりして色々調べた暇人のあなたは、さらに「アインシュタイン」「ボーア」「不確定性原理」「神はサイコロを振らない」とかでググると、とても面白い話が沢山出て来ます)



しかしそれでも、まだ科学者は満足しません

「量子力学」の根本である「量子論」のさらに先の、もっともっともっと「小さな世界」へと科学者は突き進む




例えばビジネスにおいて、あなたが何か大きな問題を起こしてしまった時、上司に報告すると「そうか…それは大変な問題だ…なぜ君がそんな大きな問題を起こしてしまったのか?君の遺伝子を調べる所から始めようか…もちろん、君の両親の遺伝子も調べなければならないな」

と、言われる様な世界
小さな小さな小さな小さな小さな小さな問題、だから「大問題」それが「超弦理論」の世界




それが、Pと、ベン.データが対峙する世界




Pが「マリオ」ベン.データが「ルイージ」になった世界

2人は「スーパーマリオ」の世界に、ついに足を踏み入れてしまった





〜「超弦理論」〜



そこは「多次元スーパーマリオ」の世界



「超弦理論」を知るには、3次元のこの世界で「スーパーマリオ」の世界に入り込んだ、という事象を理解する必要がある

マリオとルイージは「前、後、上、下」にしか移動する事が出来ない。つまり「2次元」

しかしはPとベン.データは「3次元」の、この世界を生きている





「3次元」で「2次元」を理解する時、とても役に立つ物があります。それは「綱渡り」
我々「3次元」の世界で「綱渡り」をすると、当たり前ですが「前、後、上、下」にしか移動出来ません
これはまさに「2次元世界」そのもの

「3次元」に在りながら「2次元」を体感出来る貴重な状態です

では、それを踏まえて、Pやベン.データ、その他多くの科学者達は、その先に何を「視た」のでしょうか?


なぜ、わざわざ「超弦理論」などという面倒臭そうな名前まで付けて研究しなくてはならない事態なってしまったのか?





答えは簡単。今にも綱から落ちそうな「2次元の世界」の足下に「虫」を見付けてしまったからです


我々が「2次元」の世界で生きていると仮定しましょう
つまり「マリオ」に「なった」として
己が立っている足下の綱、今にも下に落ちそうな細い細い綱の上に「虫」がいる…



その「虫」は、我々は今にも落ちそうなのに、なんと!




細い細い「綱」の、前、後、上、下、そして「左右」を縦横無尽に動き回るではありませんか!




当然ですよね。我々は「大きい」ので、足下の綱を「線」としか認識出来ません
しかし「小さい」虫は、我々が「線」としか認識出来ない世界を「面」として認識出来、そしてその「小さな世界」を縦横無尽に動き回る事が出来るのです





「我々」つまり「2次元マリオ」は、とんでもない「発見」をしてしまった
「小さな」虫は「3次元」を自由に移動出来る!コレはとんでもない発見でした
まさに「次元を超えた発見」


この「世界」は「小さければ小さい程、多くの次元を利用出来る」



それこそが「超弦理論」

現在の超弦理論では、世界は「11次元」まで存在すると考えられています












話を物語へと戻しましょう












「しかし、なぜ先生の「鳴き声」には「命波」が含まれるのでしょう…先生からだって、もちろん「命波」は出ているのに…まるで異質な「命波」…」

『んーーーーー!?それを聞かれても…うわぁ…参ったな…参ったな参ったな…』

「そもそも、なぜこの特殊な波を「命波」と名付けたのですか?」

『んーーーーー!?それはそうでしょう?だってこの波は「生物からしか」発生しないんだから』





…え?…「生物」からしか発生しない?…






目を丸くするベン.データを見て、Pもまた目を丸くする


『んーーーーー?』

「いや、その…えーーーーーー…先生は、この「命波」を、どこまで研究したのでしょうか?」



『んーーーーー?何だか探られている気分になるねぇ…まぁ良いか…うん、うんうん…簡単だよぉ。地球上に存在し、そして物体として、ある程度の形を保つ事の出来る全ての存在で、先の植物に行った実験を全く同じく試行したよぉ』




どんだけの実験試行回数だよΣ( ̄□ ̄;)




「そして…結果…」

『んーーーー?引っかかるねぇ…』

「………」

『何が「視えた」?ベン.データ』

「………先生は「植物」により、命波を「証明」しました」

『そうだねぇ…』

「私の世界は私にしか「視えない」世界です。それをどれだけ語っても、話を難しくしてしまうだけ。それは、先生が視えている世界と同じです」

『………』

「この世界の全ては「証明」によって認められます。逆に言えば「証明」無き存在は「存在」を認められません」

『素晴らしい…素晴らしい素晴らしい…素晴らしい…「視える」者と「視えない」者とは「証明」無くしては決して分かり合えない…ワタシの能力故、痛い程分かるよぉ………産まれて初めて嫉妬したよ、ベン.データ…その「眼」に』






2人の会話は非常に冷静に、そして静かに語られているかの様に書き進められているが、実際は全く違う


Pは声が枯れる程に鳴きまくり、部屋中の隅という隅に鼻を擦り付けながら話ているのだ



Pの身になって考えて欲しい



尊敬する、超の上に超が4つくらい付く天才科学者が、自分の鼻しで…いや、話で、どんどん鼻を擦り減らして行く…
そんな話合いの場で、はたして集中して、自分の考えを伝える事が出来るだろうか?





「先生…「命波」の話は取り敢えず理解しました…少し私も…疲れてしまいました…今日はここまでにしましょう…」

『んーーーーー!?うわっ、ごめん、ごめんごめん、ごめん、そうだねぇ、そうしよう(^^』

「申し訳ありません…」







ベン.データは静かに研究室を後にする





もう、ずいぶん遅い時間だ…




疲れた…





建物から出たベン.データの耳に、潮騒が聞こえる






潮騒…そうか、今日は満月か…


「真っ暗」な空に満天の星が輝く


何かに呼ばれる様に海へと向かうベン.データ


「真っ暗」な海


「真っ暗」な海の上に輝く満月は「闇」と「光」の境界をクッキリと水平線に映し出す



































「うわぁーーーーーーー!!!」


































鳴いたのはPではない


ベン.データだ