「ヒッグス粒子」

この宇宙の全てに「質量」をもたらす存在

調べると、どんどん訳が分からなくなって来るので、簡単に説明する…為には、少し話を遠回しにする必要があります


プールで泳ぐ時、なぜ人は「泳げる」のか?
鳥が空を飛ぶ時、なぜ鳥は「飛べる」のか?


答えは簡単


プールで泳ぐ時、人は水を押す事で前に進むから
鳥が飛ぶ時、鳥はその翼で空気を押す事で飛び立つから

共に「押す」という力を利用して運動しているから、泳いだり飛んだり出来る

では何故「押せる」のだろう?

答えは簡単

空気には「空気抵抗」が在り、水には「液体抵抗」が在るから



では、その「抵抗」は何故あるのだろう?

少しずつ、答えは簡単…では無くなって来る




空気も水も、とても小さな沢山の「原子」によって構成されている存在で、沢山の「原子」によって構成された存在を「分子」と呼びます


「分子」は「物質」の「最小単位」なので、そこに「質量」が存在するのです
(原子にも質量は在りますが、そこまでやると簡単に説明は無理)


ようやく現れました「質量」君


「質量」君が出て来てくれたので、ここまでの話を簡単にまとめてみましょう




鳥はなぜ飛べるのか?

鳥は、とても沢山の「物質」の集まりである「物体」なので、その翼で「空気分子」を叩く事が出来ます
「叩く」つまり「空気抵抗」を生み出せるのです

人間が泳ぐ事も全く同じ
「物体」である「人間」が「水分子」を押す事で「液体抵抗」を生み出し、前に進む事が出来ます


だんだん訳が分からなくなって来ますね


なので、もっともっと簡単に説明しましょう


「質量」を持つ存在が「質量」を持つ存在に「力」を加えると「抵抗力」という「力」が生まれます

その「抵抗力」のおかげで、人は泳げ、鳥は空を飛ぶ事が出来る


終わり



とは、ならない


世界中の科学者達は


では、何故「質量」が「存在するのか?」という問題に挑戦します



鳥は何故空を飛べるのか?
それは「空気抵抗」が在るからだ
では「空気抵抗」は何故あるのだろう?
それは「空気」に「質量」が在るからだ
では「質量」があると何故飛べるのか?
それは「質量」が在る物体同士がぶつかると「空気抵抗」に代表される「抵抗力」が発生するからだ




では「質量」はどこから来たのか?
「質量」とは何なのか?




長く研究されて来た「質量」の謎
その答えが


「ヒッグス粒子」



この宇宙全てに「質量」を与える存在

この宇宙全ての空間に存在し「質量」を与える

そんな、夢の様な存在が「証明」された



終わり




とは、当然ならない


特に、この作中に登場する、天才達なら尚更に…













『我々はこれから「ヒッグス粒子」に次ぐ歴史的存在を発見しなければならない』














「ヒッグス粒子……質量を与える存在が証明されたならば、その他の、まだ未知の「与える存在」が在る筈だ………ですか………」

『当然、そうなるよねぇ〜』

「…何に対する「与える存在」の研究をするのですか?」

『うわぁーーーーーーっ!うん、いいねいいね、いいねぇ!何だと思うぅ?』

「はっ!?Σ( ̄□ ̄;)何だと思う?ですか?」

『そうだよぉ?』

「……先生のこれまでの発言、思考…まぁ普通に考えて、この世界に「光」を「与える存在」でしょう…が…少し現実的ではない…ヒッグス粒子は「神の素粒子」であり、光が質量を持たない理由もやがて解明されるでしょう…しかし、光は「物質」であり同時に「波」の性質を持ち合わせる特異な存在…となると、やはり「光」を与える存在…」

『うわぁーーーーーーっ!』





ひときわ大きな鳴き声を上げ、机の隅に鼻を擦り付けるP
真顔で見つめるベン.データ





「この世界に「光」を「与える存在」の「証明」…キッツイですね…この僕を待ってしても…」



『んーーーーーー?なにぃ〜?違うよぉ…』




「?(・・)」

『あまりに的外れだよぉ、ベン君』

「光ではない…?のですか?」

『そんな「モノ」とっくに解明したよぉ?』

「???(・・)」

『…君は…「ココ」が「どこ」で、ワタシが「誰か」の認識が甘いなぁ…』

「(ごめんちょっと意味が分からない)…」

『そんなの、とっくの昔に全て解明して証明したよぉ』

「申し訳…も、あるのかも知れませんね、この場合…よもや「光」を「与える存在」すら「証明」した、と?」

『その問いに答えるのはやめよう。そこらの世界で活躍して、ノーベル賞が云々言ってる奴等と同じレベルの研究機関ではないのだよぉ…「ライオン」は…』

「…」

『50年先の科学が、ここには、在る』

「…」

『正解は「命」だよぉ……「命」の「存在証明」』












おじさん…マヂか?
本気で言っているのか?
「命」を「与える存在」の「証明」?
頭オカシイだろ…

「質量」はもちろん「在る」

「在る」事は簡単に「証明」出来る
だから在る事は証明出来て、その存在に「存在」を与える存在が「在る」と仮定しても成り立つ

しかし…「命」?
「命」は確かに「在る」…けれど…それは、音とか質量とか味とか…そーゆー「在る」とは全く違う「在り方」









「先生は…「神の存在証明」と同じ事を…」

『んーーーーーっ!?それは「全く違う概念」でしょう?神の存在証明の為に、結果的に「科学」は「より、科学的」になったんだから』











〜「神の存在証明」〜

哲学的思考であった「神」を、理論的に証明出来るのか?という発想から始まった論理的思考形態

古くは「アンセルムス」という哲学者の

例えばここに本があるのは何故か?と考える。それは本を構成する紙の素の木があったからで、そしてその木から本を作った人間がいるからだ。
では、その木や人間はなぜ存在するか?
それは、本を形作る紙に成る木の先祖が存在したからであり、そして本を作った人間の母親がいたからである
そのように遡っていくと、結局一番最初の存在である神の存在を考えざるをえない
という哲学的思考から始まる

それから先、誰もが知る「デカルト」や「パスカル」の「神の存在証明」を経て、ついに人類は「ケプラーの法則」という「神の存在証明」に到達

数学者であり、天体物理学者であり、自然哲学者であったケプラーは、惑星の円運動という「究極の美」に「神の存在証明」を見い出す

「これだけ素晴らしい証明が自然界に在るのだから、神が存在しない訳はない」という主張

つまり「神」とは「自然」である

人類はそこから「自然」の「異常なまでの完璧さ」を数多く証明し、それこそが「神の存在証明」だ、という流れに飲み込まれて行く

そして生まれたのが「数学的、神の存在証明」

「神の存在」を証明する為に発展して来た「科学」が、ついに「神」の手から離れ「数学」の世界へと足を踏み入れたのだ











「そんな事は百も承知ですよ。先生が「命の存在証明」などと言う表現をしたので…」

『うわ、ごめん、ごめんごめん』

「命の…存在を証明する…」

『命とは「何」か?命の「概念」とは?とても難しい…』

「やはり…不可能だと思います」

うわぁーーーーーーー!!!

ベン.データの一言に、大きく反応し鳴き声を上げるP

『さっきも言ったでしょう?「この世界の全ては、否定論から入ってはいけない」んだよぉ…』

「?」

『世に、はびこる「波動医療」…医療はともかく「波動」が「生命」や「物質」に影響を与えているという考え…それも否定せず研究してみたんだよねぇ…
そしたらね、やっぱりその通り「影響」は与えられていたんだ』

「Σ( ̄□ ̄;)ま、まさか…波動医療は…証明出来る!?」

『この会話、前話の一節のコピペになってるよぉ、ダメだよぉ』

「ああ、すみません、あまりに流れが似ていたので(前話のコピペって…)」

『この世界は、非常に多くの「波」に支配されているんだよぉ。空気振動の波である「音」、地面を揺るがす波である「地震」、水面を伝わる「水面波」、スマホが受信する事に代表される「電磁波」…』

「い、いや、あの…そんな事は…常識…」

『そう、その「常識」その「外」に「在る」存在』

「?」

『ワタシは、既知の波とは違う「新しい波」を発見した…それをさらに調べれば、この世界に「波」の性質を与える「新しい粒子」を発見出来るかもしれない』





「波の性質を与える「粒子」?」





『音波、電磁波…既知の概念とは全く違う「新しい波」…「命波」』





「命波………「命」の「波」…」