釣り人には、本当に色々な方がいる

磯で釣りを科学する方もいれば、よもやそこらのプロよりシーバス釣るの確実に上手いだろって方もいる

釣りにガッツリハマり、船舶免許取って、挙句船まで買って毎週末船を出す方もいる

本当に、心から釣りを「自分なりの楽しみ方で楽しむ」方が沢山沢山いる


しかし、悲しい釣り人も同じくらい沢山いる


例えば「自分の釣りを押し付けて来る」方
例えば「釣れている人間を見ると苛立ち、釣れている人間にいちゃもん付けて来る」方
例えば「釣り場のルールを無視する」方


本人達は楽しんでいるが、周りに被害を及ぼす釣り人も、沢山沢山、いる


私自身はそこまで酷い釣り人と出会った事はありませんが、少し前、湘南は片瀬漁港に、わざわざ長崎から来て頂いた釣り人を釣れて…連れて行った時、少し嫌な思いをさせてしまいました


メンバーは、私。とある釣りサイトの管理人。長崎の釣り人の3人

実際に被害に遭ったのは、とある釣りサイトの管理人様


さあ!ここは湘南!片瀬漁港!釣りしましょー!!!
(*´∀`)ノ
と、始めたは良いモノの、釣りサイト管理人様の釣り座の隣にいた方が、悲しい釣り人でした


「お前さーーー、隣に座ったのに挨拶一つ無いって何なんだよ」


挨拶する程近い「隣」ではありませんでした


『は?そっちの仕掛けにも迷惑及ぼす距離じゃないでしょ?』

「いや、そーゆー事じゃないだろ?挨拶だよ挨拶」

『……すんませんでした。隣、座らさせて頂きます。よろしお願いします』

「最初っからそーー言えよ。遅いんだよ挨拶が。遅い」

『だから、すんませんでした』



あ…ヤバい…



それを聞いていた私がハラハラ




「そーじゃないの。カチンと来たの。どーしてくれんの?」


『申し訳なかった。謝る。すみませんでした』


よもやここで、長崎の釣り人も「カチン」


「そこまで言う話じゃないでしょ、何なんだよこの釣り場?」


あ、コレ、ヤバいやつだ



『皆様!すみませんでした!!!場所変えましょ!!!』


ビビりまくっていた私のこの一言で、取り敢えず逃げ出す様に場所移動



納得行かないお二人様



移動した先でサンバソウが沢山釣れたので、まぁ、良かったのですが、私が連れて来た釣り場で、本当に嫌な思いをさせてしまいました


ブログなどで釣り人同士のマナーに関する話は幾十も読んでいましたが、本当にこんな事があるとは…と、驚きでした



私は普段、絶対に釣り人の多い釣り場や釣り施設には行きません
こーーゆーートラブルが嫌だから
湘南は片瀬漁港は、釣りを始めた頃は3日に1度通っていましたが、土日は近付かず、平日の誰も居ない時だけ行っていました
横浜辺りの有料釣り施設では、30センチ間隔で釣り人が並び、とんでもなく周りに気を使いながら釣りをするのが当たり前との事


釣りという自由を楽しみたいのに、金払ってまで気を使うなど考えられません


「何で、そんな場所に足繁く通うのですか?」

私の問いに、とある釣り人は言いました

『釣れるから』


私はその答えを聞いた瞬間から、釣り人ではなくなりました
私は、釣れなくても良いから、釣りを楽しみたい


「釣れる釣れない」は、どーでも良い
結果として「釣れた、釣れなかった」だけで、私は十分楽しい


「釣ろうと努力する」のが釣り人ならば、私は釣り人ではない
そんな様に考える釣りを楽しむ人間も、いるのです







あ、大変申し訳ありません。ここまでは枕





本気でルアーをぶん投げる事だけがストレス解消という方もいます
釣り具に金を使うのが楽しくて、あまり実戦はしないという方もいます
ちょい投げして、ただただ海と空を眺めるのが最高に幸せだという方もいます





本当に色々な「形」のある釣り





「釣り人の数だけ、釣りの楽しみ方はある」





そんな中、私が出会った「化け物」の話






横浜のとある船着場

漁港…と呼ぶのか分かりません

そこから毎朝、沢山の漁師が海に出て行くので、一応は漁港でしょうか
まぁ、船着場、というのがピッタリかなぁ…

そんな釣り場


黒鯛(チヌ)の穴場で、昼間も夜も釣り人はいますが、かなり少ない
夜ともなれば釣り人は殆ど見かけません

夜こそチヌ何だけどなぁ〜(^^と、るんるん気分で釣りをしていました

チヌと聞くと、高価な磯竿でふかせて向こう合わせで〜とか考える人って結構多いのですが(その方が楽しいからワザとそうやってるのかな)プラグかジグヘッドで釣る方が遥かに簡単で数釣れます

あまり硬い竿だと最初のアタックをハジってしまうので、柔らかい竿のが良い、くらいの気を使えば、餌より絶対ルアー













しかしその夜は…お?珍しく釣り人いるじゃん…




「化け物」との出会い




総じて「化け物」は「化け物」には見えない
本当の悪は、いつも善を全身に身に纏い、善、そのモノの様に振る舞い人を欺く



港の仄暗い光の下にいる、化け物

それは初め、青年の姿で私の目の前に現れた



何かを狙って竿を振る青年

青年もこちらに気付き、私が竿を持っているのを確認すると、青年から笑顔を向けて来た


おや?向こうから笑顔を向けて来るなんて…ずいぶん人の好きな釣り人だな…珍しい…
こちらも笑顔で軽く会釈して


「こんばんは〜(*´∀`)どうです?います?」

『いや〜、僕もさっきも来たばかりなので、まだ何ともですね(^^;』

チヌの穴場だと知らないなら教えたくも無いので

「何狙いですか?シーバス?アジングですか?」

『いや、ここチヌが多いんですよ、だから今はチヌやってます(^^』

あら、知ってたのね(^^;
ってか、チヌ多いとか初見の人に教えちゃう辺り、初めからチヌ?って聞かなかった私が嫌な奴に思えて来るな…(^^;

「ああ、やはり(笑」

『ここでやるならチヌですよ!本当釣れますよ!』

や、やめてくれ…どんどん私が嫌な奴になる(笑

「いや、もちろんチヌ狙いで私も来ましたよ(^^;」

『あ、僕はチヌ狙いではないんですが、時間的に今ならチヌやってよーかなーって』

「?ああ、本命があるんですね、ほーー、シーバスですか?シーバスも入って来ますよね」

『あ、いや、すんません…まぁ、でも、そんな感じです(^^;』


「?」


話ながら私はタックルを組む


当然、隣でやっている青年の装備はめちゃくちゃ気になるので、使用ルアーやタックルケースの中身を横目でガン見


この「横目ガン見」は、釣りだけでなく日常生活でもとても役に立ちます
例えば、釣りをやっている学生は釣りをやっていない学生と比べて、当社調べで15%成績が良いとの結果が出ていますが、これは「横目ガン見」によりカンニングを成功させ、答えを得るという為の確実な技にまで昇華させた事が理由だと言われています
しかし、釣りをやっていない学生はこう言うでしょう
「は?横目ガン見?そんなんでカンニングして良い成績とって、社会で役に立つの?ってか、社会に出て2次方程式とか使うの?数学意味無くね?」と…
私は断言します「役に立つ」と
確かに、2次方程式の方はどうかと問われれば2次方程式の意味も分からない私には答えようがありませんが、横目ガン見は、絶対に役に立つ
まず、釣り場に置ける釣り人は、自分の仕掛けやルアーを他人に知られまいと、かなり気を張っています
それがどれ位の緊張感なのかを調べた所、驚くべき結果が出ました
当社調べでは「通勤電車内で自分の胸元をどの男がどれくらい見ているのか」と警戒する女性の自意識と同レベルだという結果です
つまり、同じく警戒する釣り場の釣り人に気付かれずに横目ガン見が出来るレベルまで鍛え上げられた横目ガン見ならば、完全に前を向いていながら女性の胸元をガン見出来るまでに至るという事に他なりません
どうですか?ここまで読んでも、まだ「横目ガン見は社会に出たら役に立たない」と言い切れますか?

え?言い切れる?

あなたはきっと、社会に出て立派に生きて行く事でしょう
こんな記事は読まずに、将来の為に2次方程式を完全に理解して下さい
心から応援しています



なんか話がそれてるな…

あ、ここ釣り番組だ。申し訳ありませんでした


話を元に戻しましょう



私も準備を終えて、さあ!釣るぞおぉおーー!!!
狙うは年無し!!!



しかし、しかししかし「横目ガン見」を使わずとも、思いっ切り立て掛けてある「場違いなタックル」に目が行かない筈はない


青年は明らかにチヌ狙いで釣りをしているのですが、その青年はもう一本「いつでも使用出来る様に準備された」竿を、釣り座に立て掛けている…

その竿が、例えばシーバスタックルだったりメバルタックルならば何の疑問も持たないのですが…







マグロタックルだよな…
しかも、かなりデカイのを想定したタックル…





ゴッツイベイトリール
タコ竿?と思う様な竿
カッターで切れないんじゃねーの?というくらいのライン
ギャフか?という大きさのフックの付いたルアー
フックの返しが並ではない…自作フックかな…




まぁ、ランカークラスのシーバス狙いで、心配性なら有り得なくもない…か?
いや、それにしても…



まぁ…いっか(^^



「さて!!!私も始めまっせ!!!(*´∀`)ノ」

『釣りましょう釣りましょう!!!(*´∀`)ノ』



テンションマーーーックス!!!
(((o(*゚▽゚*)o)))





取り敢えず!!!




20センチくらい(^^;;

ま、坊主回避!




その間も、青年は結構引っ掛けてはいるのですが、どーにも上がらない

ただ釣れないだけなら別に気にも止めないのですが「上がらない」って所がミソ

青年は、本当に釣れていました

しかし「上がらない」

つまり「全ての魚をバラしている」





っつーーーか「チヌ狙いでタモを持っていない」!!!




数時間くらい一緒にやっていて、どうにも彼が不憫で仕方ない…



ってか、有り得ないだろ?
チヌ狙いでタモ無し?
いや、だったら逆に、逆にだよ?




そのマグロタックルでやりゃ良いんじゃね?




「さっきから、めっちゃ掛かってるのに上げられないみたいですね(^^;;」

『あ、いえ…いや…えーーと(笑』

「?」

『まぁ、上がるサイズのが掛かったら上げますよ(^^』

「え?ええ?上がらないサイズの魚、さっきから掛かってるじゃん(笑」

『まぁ…(^^;;』

「いや、言って言って!掛かったら言って!タモあるから、救助しますよ!」

『あ、いえ!いえいえ、そんな!悪いです!申し訳ない!気にしないで下さい!』

「いやいやいや!さっきから何匹釣ってるのよ(笑」

『(^^』

「絶対上げたら年無しのチヌでしたよ!」

『いや、まぁ…それはそうかもですが…(^^;;』

「?」





それから二人で、釣りしながら釣り談義




あーやこーや、それこそ「釣り場のルールを守らない釣り人はどうなのか?」とか「むやみに騒ぐ釣り人が、釣り場周辺住民にどれだけ迷惑をかけているのか!」などなど…




なんやコイツ、めっちゃ良い奴やん…(*´∀`)




極め付けは




「何であんなにバラすの?」

『僕、魚は引きが楽しめれば、それで良いんですよね…上げたら、なんか可哀想で(^^』

「太公望か!?Σ( ̄□ ̄;)」

『実は…魚釣りのフックの返しは全部潰してるんです(^^』

「だから!お前太公望か!?Σ( ̄□ ̄;)」






本当に良い奴だな…
ってか、夜釣りするレベルでフックの返し潰してるって…


しかし、冒頭でも述べた様に

「釣り人の数だけ、釣りの楽しみ方はある」

釣りは自由だ








他人に迷惑をかけない限り









「そろそろ明るくなって来るね…」

『あーーー、そうですね…』

「ここ、漁港…だよね?」

『?そうですよ!ここから、漁師は海に行きますから!』




あーー、やっぱここ、漁港だったのか…




しかし、本当に釣りってのは、こーゆーー出会いがあるから楽しくて仕方ない(*´∀`)





時間を確認

あと2〜3時間位で日が昇る…

1隻…また1隻、漁師が海へと向かう




「もう時間も時間っしょ!実はね…」


私はリュックの中から酒を取り出す


「こんなに話せた釣り人は珍しい!飲もう!釣りは終わりで良いでしょ!ちょろちょろ漁師出て来てるし、釣りはもう終わりの時間よねっ!酒あるから、あげるから、朝日眺めながら一緒に飲もうぜっ!(*´∀`)ノ」










化け物








真の悪は、いつも善を装う









『あーーー、いや、ありがとうございます!しかしですね!実は!僕も!酒!持って来てるんですよね〜(笑』

「おお!イケる口なんじゃないの〜!(*´∀`)」

『いえいえ、そんな(^^;;』

「そうなりゃちょいと、ここで飲んで帰ろう!」

『良いですよ!』

「あっちのコンビニでアテ買って来るわ!」

『あ、いや、そこまでして頂かなくても!』

「俺が腹へっちゃったんだ(^^;;行って来るわ!」

『すんません(^^;;』







私はそのまま、近くのコンビニへプラプラ

片道10分もないお散歩(^^

こーゆのが楽しくて釣りやってるってのも、まぁ、正直ある







酒のアテを買って釣り場へ…

遠くに彼の姿が見える





少しづつ明るくなる空の下、彼は酎ハイの缶を開けながら、あのマグロタックルを握り海を見つめている





お?ついに奴め「本当に狙っている獲物」の臭いを嗅ぎ付けたか?
私はタバコに火を付け、しばらく遠くから彼を眺めていた




奴め…何を狙っていやがるんだ?…あんなタックルで…












右から小さな漁船が来る
こんな早い時間から…やっぱ漁師って大変だよなぁ…





次の瞬間、信じられない光景が目に入り込む













!?







彼は明らかに漁船を意識し、漁船に向かって、あのマグロタックルをフルキャストしたのだ



漁船は速度を増して通過して行ったのでカスリもしなかったが、明らかに、漁船を狙って投げた気がした…


いや、有り得ないだろ…なんなんだ?あいつ、何を狙ってんだ?
漁船を追う魚?何の魚だ?

海洋冒険家が転覆事故を起こして死ぬ場合、少ない例だが「クジラが船と遊びに来て接触してしまい、船体に穴が開いて転覆」という事がある


しかしここはただの漁港である、クジラ?たまにイルカくらいは入って来るかもしれないけれど…




お?




船の起こした波の中に、高い背ビレがちょこちょこ見える



普通にシーバスじゃん…

船にかき混ぜられた波で小魚が慌てて、そこを狙ってシーバスが浮いて来たのだろう

どんだけデカいシーバス狙ってんだ?(^^;;






「おーー待たせ!アテ買って来た!ってか、もう朝飯だな!(笑」

『ありがとうございます!Σ( ̄□ ̄;)』

「いやいや、そのマグロタックル、ついに出番?(笑」

『あ、見られてました?(笑』

「いや、良いんじゃない?そこまで本気でシーバス狙いだとランカー以上狙いでしょ(^^カッコ良いじゃんか!(*´∀`)ノ」

『いや、いやいや、もうやめました!今日は!飲みましょう!買って来て頂いたツマミ、めっちゃ美味しそう!』

「こーゆー時は金にいとめつけちゃダメよ!美味そうなの買って来た!(笑」

『あ、おいくらですか?』

「?」

『いや、僕も払わなくちゃ』

「お前本当に良い奴だな!Σ( ̄□ ̄;)いらないいらない!(笑」

『えーーー!!!ダメですダメです!払います!』

「んじゃ、100円(笑」

『Σ( ̄□ ̄;)』






それからしばらく、本当に楽しく飲みました(^^


もう完全に釣りは無し(笑
飲み会(笑


完全に朝(笑
犬の散歩してる人や、朝のジョギングしてる人に完璧なまでに白い目で見られながら釣り場で飲む酒は、夜飲む酒とは違う楽しみがあるものです




彼も、自分が持って来た酒はとうに飲みきり、私持参の酒も飲み、結構デロデロ(笑
(実は途中酒が足りなくなって、彼がコンビニに酒を買いに行ってくれました(笑)









「明時さぁーーーーん!僕ねぇ…許せない事があるんですよ…」








美しい朝の太陽




青い空




青い海







化け物










『(^^?』

「許せないんですよーーーー」

『どした?(^^?』














「嫌いなんですよね、漁師」

『(^^?』

「明時さんだから話すんですよ?」

『???なに?』

「あいつらね、奪ったんですよ。僕から、大切な大切な竿を」

『竿?』

「そうです!親に頼み込んで、テストで良い点とったら買ってあげるって言われて、僕、頑張って頑張って、学年1位とったんです!」

『めっちゃ凄いじゃん』

「ずいぶん前の話ですけど…だから、大切に大切に使ってた竿だったんです」






海を眺めながら酒を飲む青年

しばし無言…





「伊豆山港…って知ってますか?」

『知ってるよ、もちろん。釣り場少ないけどね、あの辺りは』

「そうです!そこなんですよ!僕、そんな事知らなかった」

『うん』

「僕、あそこで、伊勢海老上げたんですよ!凄く大きくて!」

『い、伊勢海老は…マズいね(^^;;』

「だから!そこなんですよ!!!頼み込んで、頑張って学年1位とって、買ってもらった竿で!伊勢海老上げたんですよ!?」

『いや、うん、それは良いけど、伊勢海老は漁業権があるから…』

「それです!そんなの、子供の僕が分かる訳ないじゃないですか!それでね!朝方漁師が来て、何釣ってるの?って聞きに来たんですよ!で、僕、自信満々に伊勢海老釣ったよ!って、釣った伊勢海老見せたんです!」






ああ、これ、マズい流れだなぁ…
青年、かなり酔ってるし…







「ねぇーーー、明時さーーーん、信じられます?そいつ、伊勢海老見せた瞬間、準備してた様に怒鳴って来て、僕の竿折って、次来たら殺すって言ったんですよ?伊勢海老入ったクーラーボックスまで海に投げて」






目がイッテる…





「僕、それから色々ネットで調べて、やっぱり釣りは遊漁であって、漁業権突き付けられるのは絶対違うと思うんですよ…オカシイでしょ?網と釣り針じゃ分母違うでしょ…」


『ゴメン、ちょっと飲ませ過ぎちゃったな(^^;;もう帰ろうか(^^;;』


「いや、いやいや、オカシイ事はオカシイでしょ?僕、漁師が許せないんですよ、あの日からずっと」





ずいぶんと日も登った時間




また一隻、小さな漁船が海へと向かう











青年はマグロタックルを握り走る
足元にあった酎ハイの缶が蹴飛ばされ倒れ転がる
















魚を釣る時に使う針の返しは潰してるんですよ
引きを楽しみたいだけですから(^^

そう言ったあの時の青年は、まさに太公望






ああ、そうか…マグロタックルに付いていたルアーのフック…自作か?と思えるくらいの返しが有った…

「魚」を釣る時に使うフックの返しは、潰す

狙いは「魚以外」か…










迷う事なく漁船へ向けてキャストする青年

その姿は…







「なぁんかテンション上がっちゃった!やっぱ釣りやろ!さっきからウズウズしちゃってて(笑これ、明時さんだけに話ますからね!(^^」







化け物








「酒飲んで遊漁やってたんだから、間違って漁師釣っても傷害罪にはならないでしょ?だって、僕嘘付いてないもん。厳重注意で済むでしょ(^^何も知らないで間違って伊勢海老釣った僕の竿折った漁師が器物破損罪にならないんだから、僕は間違っていない(^^」



絶対に許されない行為であり、確実に何らかの罪になるとは思うのだけれど、それが何の罪になるのか分からない
そこが怖い…もしかしたら、本当に無罪なのか?
と言うか、その思考が恐ろし過ぎて言葉にならない
器物破損は…青年が警察に駆け込めば多分成立していたと思う…




「漁業権漁業権言いやがって!!!海は手前らの物じゃねーーーんだよ!!!」







化け物は大声出しながら、海へ向かう船に狂ったように向けてルアーを投げ続ける

私は全力で道具片付けて離脱、と言うか逃げた、怖くて逃げた






『ごめん、もう時間だから帰るわ(^^;;じゃーね!』







「明時さーーん!今日の話は誰にも言わないで下さいね!(^^」







帰り道ですぐさま通報しようと思い、早足で去る私の背中に向かい、化け物は言う




















「明時さーーーん!顔、覚えましたからねーー!」



















その一言

背筋が凍るとは、あんな瞬間の事を言うのだろう

私はビビってしまい通報も出来なかった







本当に、釣り人には色々な人がいる

あの釣り場には、それ以来一度も行っていないし、もう行く事もない

今現在「漁師が釣り人に釣られた事故」は、私が知る限りでは起こっていませんが、実際、そんな事故ニュースにもならないでしょう



たまに釣り場で、信じられない様なトラブルの話を聞きますが、あの日以来、釣り人の戯言だと笑う事は出来なくなりました