どーーーーにも昨今、バス釣りは流行りすぎて穴場がない!
どこもかしこも釣り人釣り人、釣り人ばかりで、バスも釣れやせん
挙句、常識のない釣り人のせいで釣り禁止になる釣り場の多い事…


なぁんか…どっか…どっかに、穴場無いかなぁと山中を歩き回る日々


富士五湖(特に山中湖とか西湖、河口湖)でバス釣りを始めた俺は、家も近い事もあり、我が国の誇り富士山の麓、つまりは「樹海」で、穴場を探しては歩き回っていた

富士樹海の標高は1千メートル前後。これ、釣り場探しと言うより登山じゃね?俺、釣り人じゃなくて登山者じゃね?と思い悩みながらも穴場を探す毎日


足元の悪い山道を釣り具を持って彷徨う辺り、コレ確実にラインで首吊りをはかる自殺志願者だよなぁ…
「最期は自分の竿で、最高の獲物を吊りたかったのです…」とか…いや、洒落にならんわ
あ、今思い付いた「最高の獲物、自分」を吊り上げる為に樹海を歩き回る釣り人の話とか良いなぁ…
いや、いやいや、やめよう、そーーゆーのやめよう





実際、樹海をふらふらしていると分かるのだけれど、驚く程に人もいるし、自殺防止の為のボランティアの人達が沢山いる。そして、普通にコンパスは北を指すし携帯も繋がる


自殺志願者の方々は気を付けて下さい。こんな所で130ポンドのラインでも持っていようものなら、間違いなく「君!君はこんな所に来てはいけない!さあ、話なさい!どんな相談も聞くから!」と、自殺防止ボランティアの方々に拘束されてしまう


あ、また話それてますね、すみません


とかく、樹海で穴場探す釣り人の方はあまり丈夫なラインを装備しない方が良いです
「いや、こんなラインで首吊れる訳ないじゃないすかwww」
とか言っても
『君!それはPEラインのエイトブレイデットじゃないのか!?』
と、余計な詮索をされてしまいます



しかし樹海には、意外と多く「池」がある



樹海の奥の奥、その先には、誰もが到達出来る訳ではない「池」がありまして…


そこは、富士五湖から釣って来たバスを放流して、仲間達だけで楽しもうと企むバサー達の秘密の池だったりします

普通にバスはそこで繁殖していて、かなり大物がいる池も存在します

富士の樹海はかなり広く、そういう池はいくつかあり普通にGPSも繋がるので、そんな場所を見つけては登録して、秘密の池のバス釣りを楽しんでいました


そんな日々を楽しんで、たまに自殺防止ボランティアに捕獲されては「違う!死ぬ気はないの!本当に!」と逆に説得する毎日を送っていたある日、不思議な池を発見しました



普通、開拓者のバサーがテリトリーとする池で釣りをしていると、開拓者のバサーと会う、会ってしまう
そうすると、本当に嫌な顔をされます
まぁ、そりゃそーーですよね


しかしその池では「開拓者」らしき人物とも会わない
と言うか、本当に人が1人も来ない
でも、釣れるんです
バスは外来魚ですから、誰かが放流しないと存在しないのに…


でも、釣れる


こりゃ最高だわwwww


ガチの穴場見付けたwwwww


と、通い続けていたある日






新しく購入した新品の竿を鱗付けしてやろうと、釣り始める前に池に向かってヒュンヒュン振って遊んでいたら














「あっ…」















いや、絶望ですよマヂで






「あああぁあぁああぁああぁあああああ!!!!!」




















竿!!!!投げちまったぁあぁあぁあああぁあぁあぁああああぁあああぁああぁぁぁあ!!!!Σ( ̄□ ̄;)Σ( ̄□ ̄;)Σ( ̄□ ̄;)Σ( ̄□ ̄;)Σ( ̄□ ̄;)


手が滑ったと言うか、ルアー投げる癖で指を離しちまったと言うか、何と言ったら上手く説明出来るか…



新品の竿は、フルキャストの勢いで池へとポチャン………
。・゜・(ノД`)・゜・。



そりゃねーーーーーだろさすがに俺…

俺仕事してないから、何とか親の年金で買ってもらった大切な大切な竿だぞ
。・゜・(ノД`)・゜・。


何とかバス釣りまくってバスプロになって、親孝行したいと思って、親にお願いして買ってもらった竿なのに
。・゜・(ノД`)・゜・。










膝から崩れ落ちる俺












しかし、奇跡は起ったのだ…











竿が落ちたポイントから、何と言う事だろう…
















おっさんが浮かび上がって来たのだ…












「お前の落とした竿は、この金の竿か?それとも、この銀の竿か?」










Σ( ̄□ ̄;)Σ( ̄□ ̄;)Σ( ̄□ ̄;)Σ( ̄□ ̄;)




















「あ、いや、ごめん。驚くよな、そりゃ。ごめんごめん。違う違う、驚かそうとしたんじゃないのよ。えーーーーーと…まあ、取り敢えず、お前が落とした竿は、金の竿?銀の竿?どっち?」







( ゚д゚)?






「いや、違う。本当ごめん。いや、こっちも悪かったわ。あのーーー…えーーーー…何の竿を落とした?」









『( ゚д゚)?……ボロンの…竿…』

「正直者だな!お前には、この金の竿をくれてやろう!!!」

『( ゚д゚)?』

「!?」

『いや…え?は?ボロンの竿返してよ』

「( ゚д゚)???いや、だから、金の竿をあげるよって…」

『違う違う!母さんを殴って買ってもらった竿を返してよ!!!!』

「( ゚д゚)???いや、だから、金の竿をあげるって。金だよ?純金だよ?」

『マヂ意味分かんねーーーんだけどwwwww俺無職なのねwwで、母さんに釣りしたいから竿買ってくれって言ったの。そしたら金ないとか言うから、泣く泣く母さん殴って、やっと買ってもらったのよwwwそんな大切な竿、金の竿と交換とか無理っしょwww』

「( ゚д゚)…お前…最低な奴だけど、どこか間違った優しさがある奴だな…」

『いや知らんしwww返せよ、元の竿』

「いや、待て待て、その話聞いてこっちの事情も変わるわ。良いか、金の竿だぞ?凄い値段で売れるぞ?」

『いや、だから知らんしwww何そのゴリ押しwww』

「お前…本物のバカだな…」

『いや、だから、バカだから無職なんだし、そこは知らんけど、元の竿返せって』

「いや、いやいや、だからぁ、元の竿は返さないけど、この金の竿持って帰って売ってみ?ビビるぞ?」

『ビビるとかwww糞チキンな俺には無理www』

「いや、そーーゆーー意味じゃないの!!!」

『本当うるさいなお前!!!!良いから返せ!!俺の唯一の生き甲斐の釣りが出来ないんだよ!竿無しじゃ!』

「だーーかーーーらーーーー!!!売れば良いんだって!!!!」

『ちーーーがーーーうーーのーーー!!!釣りがしたいの!!!んじゃ分かったよ!!!金の竿?とやら、ちょっと貸せ!!!』

「いや、まぁ、それは全然構わないけど…はい…」



『よっしゃ…フルキャストの勢いで……』









ヒュッ!!!!!!!



竿、グニャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜







『ほらぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』

「?」

『?じゃねーーーーよwwwwルアーも付けないで振っただけで曲がっちまって戻らないじゃん。こんなんじゃ釣りに使えねーだろwwww』

「( ゚д゚)…お前…どこまでバカなんだ?」

『初対面なのに失礼過ぎだろおっさん…』

「あ、いや、何か…ごめんなさい」

『いや、良いけどさ…で、この竿、何k?』

「?何k?何kか知らんけど…純金だよ?」

『ガチで純金?』

「うん」










なるほど…18kとかじゃねーのか…24k以上の可能性もあるな…フォアナインか?…まさかのイレブンナインかもしれねーな…





「ん?なになに?なに?」

『いや、何でもないよ。取り敢えずね、おっさんが俺の竿欲しいのは痛い程分かったよ』

「いや、欲しいとかじゃなくてさ。君本当にバカだな。金の斧銀の斧とかいう話知らないの?」

『?ごめん、知らんわ…何だそりゃ』

「( ゚д゚)…えーーーー…マヂで?結構有名だと思うんだけど…ワシ、その話に出て来る神様なのよ、一応」

『神様wwwwおっさんがwwww』

「……いや…えーーーーと…ほら、今池から上がって来たのに服濡れてないでしょ?神っぽくね?奇跡じゃね?」

『wwwwwww』








ガチだな……髪すら濡れてねぇわ…キリスト以来の奇跡だろコレ…
うわーーーーー、キタコレ、めっちゃチャンス
宝クジ当たるより確率低いわ








『おっさんが神とかwww身分証明書は?』

「え?身分証明書?無いよそんなのwww」

『じゃあただの池で泳いでた浮浪者じゃねーーーかwww』

「いや、本当だって、本当に神何だって!!」

『池の神様?www』

「そうだよ!!!」

『んじゃ、池上さんだなwww』

「池神さん?うん、まぁ、そうだよ」

『認めたwww』









キタキタ!こいつガチ神かもしれねーな!!!
神…か…神…神釣りてえぇえぇええぇぇ!!!!
ちょっと頭使うべ








『池上さん…悪いけど、ごめん。竿返してよ元の竿…』

「……お、お前……金の竿よりも…間違った優しさで手に入れた普通の竿を選ぶのか……」

『母さんに買ってもらった竿……金には変えられないんだわ……』

「……………いや、マヂで?」

『だって、その竿無かったら釣りが出来ないんだよ…』

「…金より釣り……か………」

『池上さん、ごめんな…釣りはそれくらい、楽しいんだよ…』

「………………ちょっと……相談があるんだけど…」

『?』

「釣り……うん。たまに来るのよ、釣り人…」

『?』

「………その…えーーーと…ね?こっちはさ、ワシはさ、もう死なないのね、で、暇なのよ…金の竿を断る程、釣りって楽しいの?」














よっしゃ!釣れた!!!!!










『………んーーーー…人による、かな……でも、金の竿何ていらないよ…だって、金の竿じゃ魚は釣れないんだ』

「そっか…」

『金の斧と銀の斧?だっけ?それ、貰ったキコリは、その時は喜んだと思うよ、でも、その人の人生はどうなったのかな?』

「…そうか…金の斧なら喜ぶかなぁと思ってあげたけど、あいつの人生がどうなったかは…知らないや…」

『そーーゆーーの、現代だと、老害、って呼ぶんだぜ』

「老害?」

『そ、老害。前時代の考えを押し付けられて、若者が苦労するんだよ』

「( ゚д゚)マヂか?」

『社会問題だよ』

「ワシ…悪い事したかな?何か罪悪感あるんだけど」

『いや、そのキコリがどーなったかの後日談は知らんけど…それまで貧乏だった人が、イキナリ大金を得たら…』

「女と酒…か…」

『まぁ、そーなるわな』

「…いや、ヤバいヤバい、何かブルーになって来た」

『池上さん、ここにずーーっと居るんでしょ?釣り覚えたら?楽しいよ!』

「いや、でも…竿も無いし…」

『そ、こ、は!俺達の仲じゃん!良いよもう!あげるよ!そのボロンの竿!』

「( ゚д゚)!?マヂすか!?」

『うん!金の竿と交換で良いよ!』

「お前…もう釣りが出来なくなるというのに…ありがとう……」

『大丈夫だよ!あと2本竿持ってるから!』

「( ゚д゚)?」

『まぁまぁ、細かい事は気にしないで!ね!』










ガッツリとフッキングしたな…
車から予備の竿持って来よ










『よっしゃ!竿持って来たよ!釣りを楽しもう!』








ガッツンガッツン釣れる釣れる!








「………あの〜〜………」

『何?』

「竿………は、本当にありがとう…」

『良いって事よ!』

「いや……で、その…」

『だ、よ、ねーーーー!!!リールが無いと出来ないもんねwwww良いよ良いよ!リールも金のリールと交換してあげるよ!!!』

「いや、しかし…そのリールが無くなればお前も釣りが…」

『だぁーーいじょうぶ大丈夫!予備あるから!』

「お前!マヂ神ってるわ!!!」










お、ま、え、が神ってるわ!wwwwww
金のリール……コレ、いくらに換金出来んだ?







『よっしゃ!釣りだ釣りだーーー!!!』

「…………あの〜〜…」

『今度は何よ!?』

「このリール…?とやら、お前のリールにある、糸が無いのだが…」

『おお!そうか!それはすまない!リールが欲しそうだったのでリールだけ渡してしまった!糸はラインと呼ぶのだが、このラインも金のラインと交換するよ!』

「有難い!」

『問題ないさ!共に釣りを楽しもう!』

「……………あの〜〜……」

『まぁたか!何だ!?』

「お前が投げている、その、魚に似た物…それが無いのだが…」

『しまったぁーーー!!!ごめんごめん!ルアーな!コレが無いと魚は釣れないわ!マヂゴメン!』

「いやいや、ワシこそ確認不足であった!それをくれ!」

『は?』

「?いや、それ無いと釣りにならんのだろ?」

『いやいやいやwwwくれってwww何でお前にあげなきゃならんの?』

「………金のルアーと…交換?」

『ここまでの流れで、そりゃ当たり前でしょ?』

「ま、まあ、まあ、そうだよね……」














ガッツリ釣れたな、神

ラインを巻いて〜…待てよ…ライン…良い事思い付いたwww
細いの巻いたろwww

ルアー…も、フック外して渡そwwwww











『はい!ルアーあげる!ラインもパンパンに巻いたぜ!!!』

「うむ!ありがとう!」

『よーーーし!釣ろう!!!』










『よし!来たーーー!!!!』

『また来た!』

『またやで!!!!』




「おお!?何やら来た感じが!!お!?あいや!逃げられたか!」

「おお!またも来た感じ!!……なーーー!!!またじゃ!」

「また来た感じーーー!!!スポーーーーーンって抜ける感じ何これえぇええぇええぇ!!!!」








「ねぇ、お前」

『なに?』

「いや、なに?じゃねーーーよ、針付いてないじゃん、ワシが貰ったルアーとやら」

『?あーーーーー、マヂゴメン。ルアーって、その物だけをルアーって呼ぶのが普通なのね、俺達アングラーの間では』

「え?何?アン?アングラー?」

『釣りを楽しむ人を、アングラーって呼ぶんだぜ!』

「何それカッコいい………いや、違う違う、針くれよ。針無いと絶対釣れないっしょ」

『は?何でお前に針あげなきゃならんの?何その上から目線』

「いや、普通に考えてオカシイだろ」

『は?お前の普通って何?何でお前の普通を俺に押し付けるんだよwwww針じゃなくてフックね、フック。ルアーとは別物なの。アングラーは中古でルアー買ったら、自分で買ったフックを付けるんだよ。フックだってタダじゃないの』

「マヂか………」

『さっきの金の斧銀の斧の話で反省したかと思えば、すぐにそれだよ。金の斧をあげたキコリが、その後の人生、女と酒で狂ったのを反省したんでしょ?もう忘れたの?そうやって自分の当たり前を他人の当たり前に押し付けるから悲劇が起こる訳』

「はい…」

『で?フック、どーすんの?』

「金のフックと…交換して下さい…」

『そーーーうだよーーー、それだよ!池上さん!で?何個?』

「え?何個?」

『?……あ、そうか、池上さん、釣りは今日が初めてだもんね!ルアー釣りって、ロストとの戦いでもあるのね、で、ルアーロストしたら、新しいルアーと新しいフックが必要になるんだよ!』

「???ロスト?え?何それ?」

『かぁーーー、そこから説明しなきゃか!ま!仕方ないね!ルアーを無くす事をロストって言うのね。で、ルアーって、フックが付いてるから、水中の木とか色んな物に引っかかって、それを外そうとすると糸が切れてルアーをロストしちゃうんだよ!その度に、新しいルアーとフックは必要なんだ!』

「…………いや、はい…って事は……」

『はい、はいはいはい!って事は!?』

「ルアーも、これ一つじゃキビシイ…フックも、前もって多めに用意しないと…」

『いーーけーーがーーみーーさーーん!!!センスある!素晴らしいよ!凄い!凄いよ!!!』

「え?マヂ?ワシ凄い?」

『もう、立派なアングラーだよ!!!そこまで最初から思い付く人滅多にいないよ!!!すーーごーーいーーよーー!!!』

「いや、ワシ、神だから人では…」

『あ?』

「い、いやいや!ワシ、アングラー!!??」

『そうそう!まさにアングラーだよ!池上さん!』












はい!ルアー10個とフック20個、お買い上げありがとーーございまーーーーすwwwwww

これ…換金したらガチでヤベーーーwwww











『よっしゃ!また来たで!!』

『またや!!!本当に釣りは楽しいわ!!!』







「…………おっ!?お!!!来た!!!来たぞよ!!!コレが引きか!!!気持ち良いーー!!!あっ!あらっ!?糸が…ラインが切れたΣ( ̄□ ̄;)」

「もう一発じゃ!!!よっしゃ!!来た!!うおーーー!!!あっ!え!?またライン切れた!!」








『ガンガン釣れるぜ!最高や!!!』

「あのーーー……」

『なに?』

「ラインが…その…プチプチ切れて…ルアー、5個ロスト…」

『あーーーーーー!!!!そっか!そりゃそうだよね!ごめんごめん!池上さん、ガチで釣りやるとは思わなかったからさ、あげたリールにナイロン0・1号巻いちゃったのwww』

「?ナイロン?0・1号??」

『あーーーー、ごめんごめんwww分からないよねwww切れやすいラインだったって事よ!』

「え?」

『え?なに?』

「いや、それオカシクね?わざと切れやすいライン巻いたの?」

『は?』

「は?じゃねーーーよ。お前さっきから、なぁんかオカシイな…」

『……………………』

「黙ってんじゃねーーーよ」

『いや、何だよその口のききかた』

「え?」

『え?じゃねーーーよ。何だよ、その、わざと切れやすいラインとか云々』

「いや、だからぁ、そこからオカシくない?って」

『ちっ!あのさぁ…こっちもね、これからマヂで釣りやる奴かどうか、最初は分からないでしょ?お前が持ってるその竿、俺が母さん殴って買ってもらった竿なんだよ?んで、やっぱ釣り面白くないでーーす!とか言われたら嫌じゃんか?そんな信用のない奴に、最初から丈夫で高価なラインを巻いてリール渡す?普通に考えろよ』

「……いや、まぁ、はい…」

『いや、でもね、怒ってくれてありがとう』

「え?」

『お前、信用出来るわ。その心の熱、伝わったよ。何かね、魂に来たわ』

「マヂすか!?」

『おう!良いラインあるぜ!!!巻き直してやるよ!』

「あざーーーーすっ!!!」














よし、また金の糸ゲットーーーーーーーー!!!
追加でルアー10個ぉぉぉぉおお!!!!














「うおぉおぉおおぉおぉ!!!釣れたーーー!!!!」

『ガチで来たね!!!凄いよ!才能あるわ!』

「あざーーーーすっ!!!」

『いや本当に、本当凄いわ…』

「ワシにも、新しい楽しみが出来た…本当にありがとう」

『いや、いやいや、池上さん、プロ目指せるよ!』

「いやーーー、そんなそんな(*´∀`)」

『しかし…それには…足りない物が一つあるなぁ…』

「?仮にも、ワシこの池の神だし、足りないとかあり得なくね?」

『そこなんだよねぇ……』

「?」

『神がさ、自分を神って言うの、寒くね?』

「???」

『そーーーれが!老害なんだよ!』

「キタコレ老害!!!」

『この上着…かなりかさばるし、邪魔っちゃあ邪魔なんだけど、何で着てると思う?』

「?…いや、ルアーとか沢山入るポケットあるし、それで着てるんだと思っておったが…」

『コレね、ライフジャケットって言うの』

「らいふじゃけっと?」

『そ、ライフジャケット。これね、凄い大切な装備なのよ。アングラーとして、着るのは常識なの』

「ほう……?」

『もし池に落ちたら、人間って死ぬのよ。溺れて』

「ほうほう…」

『ライフジャケットを着てるとね、落ちた時に体が浮いて助かる確率がとんでもなく上がるの。だから、ライフジャケットを着るのは、アングラーとしての常識な訳』

「ほう…」

『いや、ほう…じゃねーーーよwwwアングラーとして常識って言ってんだろwwww』

「?ワシ、人間ではないし、この池の神だから落ちても死なぬのよwww大丈夫大丈夫wwww」


『だーーかーーらーーー、お前が神かどうか何て、他の人知らんだろ?これから釣りを楽しむ者として、着ないのはどーーーかなーーー?と思う訳よ。いや、これ、優しさで言ってるよ?お前がライフジャケット着てなくて、それを見たアングラーが、じゃあ着なくて良いんだ!って思ったらどうすんの?責任取れるの?』


「いや…いくらワシでも、命の保証は…」


『でしょーーーー?』


「?」


『?じゃねーーーよwwwいや、そこまでの腕があるんだから、これからお前有名になるよ!そんな人がライフジャケット着てないって、どーーーかなーーー?』


「頂こう!!!!」


『よっしゃ!金のライフジャケットと交換してあげるよーーー!!!!(*´∀`)ノ』


「………」


『?』


「もう…金が…無いのじゃ…」











しまった………使わせ過ぎたか………


ライジャケこそ大物なのに…クソが…ん?


あっ!!!!!アレがあるじゃん!!!!
















『そうかぁ……金は無いのか…ここまで沢山交換してくれたから、ただであげるよ!って言いたいんだけど…ライフジャケットはこれしか無いんだ…このライフジャケットが無くなったら、俺、もう釣りが出来なくなっちゃうんだ……』

「残念極まる……しかも、そのライフジャケットとやら、かなり複雑で作りが細かい…大量の素材が必要だと思われる…」

『じゃあ…残念だけど…………あれ?あ、そーーーだよ!!あそこに立て掛けてある、最初に池上さんが出した金の竿ともうひと振りの竿!!あれ、何の竿だっけ!?』

「銀の…竿?じゃが?」

『それだ!それで良いよ!銀で作ってくれれば、それで全然構わないよ!』

「マヂで!?あ、でもちょっと待って。金は沢山貯めておいたから色々交換出来たけど、銀はあんまり人気ないから沢山ないんだよね、ちょっと待ってて!」









池に入って行く池神







ガチで神だなあいつwww普通に池の底まで水紋一つ起こさず入って行ったwww
ライフジャケットデカイから、金で欲しかったなーーーー!!
まぁ、デカイから銀でも良いやろ!!!
毎日銀の相場眺めて、売り時決める楽しみはプライスレスや!!!

















「待たせたな!!!!出来たぜ!!!ライフジャケットーーーー!!!!」






キターーーーーーーー!!!!!
 ☆ * .  ☆
  . ∧_∧ ∩ * ☆
* ☆ ( ・∀・)/ .
 . ⊂   ノ* ☆
☆ * (つ ノ .☆
   (ノ





『いやぁ…何か…申し訳ないなぁ……』

「いや、もうここまで来たら、行く所まで行きまっせ!!!ありがとうと言いたいよ!!!!」

『竿、釣り具にライフジャケット…あとはもう、どれだけ釣りを愛せるか?だよ!!!』

「いや、実はな、金は神にとっても大切な物でな、正式な御神酒を注ぐのに金杯が使われるのにも理由があるのじゃ。しかし、全てをワシに金と交換とは言え譲ってくれたお主の優しさには感謝感謝じゃ、本当にありがとう!」

『このライフジャケットがあれば、俺もまた、安全に釣りを楽しめるよ!!ありがとう!本当はもっと教えてあげたい事もあるんだけど、ちょっと時間がもう無くて…すまないけど、この辺りで帰るわ』

「いやいや!こちらこそ、ありがとう!」

『後は慣れと練習だから!じゃあね!!!』






















ガチでヤベーーーーガチでヤベーーーーガチでヤベーーーーガチでヤベーーーー



怪しまれない様、とてつもない早足で車へと戻る



すぐに金相場検索…グラム5067円wwwwww







































「俺氏、樹海で見付けた池で変なおっさんから金を貰い、無事億を得て南国生活wwww」

というスレッドが、某巨大ネット掲示板に上がり、そこから派生したスレッドにより多くの犠牲者を出し、大変な事になるのは、すぐ先の話













































「お!?池あった!!!人いるぞ!」

『マヂだ!』

「おおおお!?ライジャケ着て…おいおい…竿も結構良いの使ってるぞ!」

『って言ってる内に釣ってる!!』

「これは……見付けたな!!!」






富士の樹海で、池を探す若者2人




「すみませーーーん。ここ…隣り、良いですか?」

『おお、モチロン良いぞ!』

「あざっす!」




老人…だとは思うが、どこか荘厳な雰囲気を醸し出すアングラー




「ここ、釣れます?」

『うはは!釣れるぞ!』

「マヂすか!って!2投目でキターーーー!!!」




少し離れた所にいる連れも釣れている



「うわーーー、ここは凄いわ……」



ずいぶん前から来ていたのだろうか…老人は休憩



「ここ、良く来るんですか?」

『?…あーー、そうか……うむ、そうだな、来ると言うか、いつもここに居る』

「?」

『いや、何でもない』





















かつて、金の斧と銀の斧の話に深く関わった神は【あの日】以来、他の神から叩かれまくった

人間にそこまで金やるなんてアホの極み

明らかに騙されてる

やられたな

釣りって(笑

お前が釣られてんじゃねーーかwww







神は、あの青年を信じていた

永遠の暇を与えられた神に…そう、神に
神に臆する事なく、楽しみを与えてくれた、勇気あるあの青年を、信じていた
































「いやーーー、本当釣れる!!飽きる程釣れますね!」

『うむ、飽きる…程…な…』

「ちょっと俺も休憩しよ」

『こんな場所、よく見付けたな』

「いやーーーー、樹海は広いですし、たくさんこーゆー池もありますからね。釣りも楽しいですが、池探すのも楽しいんですよ」

『ポイントを探す楽しみ、って奴じゃな』

「あ、そうだ!探すって言えばですね………」




若者はポケットから、何やら薄く四角い物を出し、指で画面を撫でている



「っと、これこれ…これだ…」

『?』

「富士の樹海に在ると言われる、金を手に入れる事の出来る伝説の池、って知りません?wwww」

『??金…を?』

「wwwwいや、全然、冗談の話なんですけどねwww樹海のどこかの池で釣りしてたら、池からおっさんが出て来て、あらゆる物を金と交換してくれるって話がネットに上がっててwwwいや、別に話題にもなってないし、俺が面白い話だなぁと思っただけなんですけどwwww」

『!?ちょ、ちょちょ、ちょっと!それ、その話を聞かせてくれまいか!?』

「聞かせてってwwwはい、スマホ…自分で読んで下さいよwwww」















オープン掲示板まとめ


「俺氏、樹海で見付けた池で変なおっさんから金を貰い、無事億を得て南国生活wwww」



















『読了……………うむ、ありがとう…』

「いえいえ〜…っ!!???Σ( ̄□ ̄;)お、おおおじさん!?どうしました!?」




記事を読んだであろうおじさんが、肩を震わせ、拳から血が出るのではないかと思う程に手を握っている…




『いや、すまん…』

「いや、いやいや!すまんじゃないですよ!明らかに変!!!」

『大丈夫じゃ…すまん…』









明らかに大丈夫じゃねーーーよ!このおっさん!
まさか…何か知ってんじゃねーか!?








「いや、いやいや、大丈夫じゃなさそうですよ!俺の連れ、医療従事者何ですぐ呼びます!」

『いや、大丈夫じゃて…』



絶対に何か知ってる…これは、優しくして聞き出すしかない!!!


しかして、駆け付けた医療従事者の友人は、信じられない診察結果を下す








おい…

な、なんだ?

このおっさん…完全に…心臓動いてない…

Σ( ̄□ ̄;)

橈骨動脈…まぁ、良く言う手首の脈な。無い…危険な状態かと思って足背、総頚動脈もみたが……無いんだよ…脈…間違いなく、心臓は動いてはいない…

Σ( ̄□ ̄;)

に、逃げよう………

((((;゚Д゚)))))))


















「お…おじ…おじさん…?」

『ん、診察とやらは終わったのか?』

「う、は、はい、問題ないそうです(*´∀`)」

『そうか、それは良かった』

「ほ、は、ほ、ほほ、本当に、良かった良かったですね(*´∀`)」






『お前達も、本当に良かったな…』






「は、はい?」






『もう、ここには2度と来るな……』








「((((;゚Д゚)))))))」











すぐに2人は逃げ帰った









それで終われば良かったのだ











































あ奴め…………あ奴め…………

最初から、何か変だとは思っていた…


考えてみれば「金の斧と銀の斧の話」など知らんと言った奴が、なぜ「キコリ」という職業を迷いなく口にしたのか…



!?そ、そうか…ライフジャケットの件もそうではないか!
銀のライフジャケットを渡した時、奴は「これでやっと、俺も安全に釣りを楽しめるよ」と言った…




銀………………めっっっっっちゃ沈むやん…………















沢山の他の神に馬鹿にされ、罵られた池の神

それでも、あの青年は、趣味を与えてくれた…
それは、勇気ある優しさだと、信じていた





















やられた………………


膝から崩れ落ちる神













悲劇の始まり














オープン掲示板まとめ

俺氏、樹海で見付けた池で変なおっさんから金を貰い、無事億を得て南国生活wwww


を読んだ、とある2人の若者は「生きていない釣り人」と出会ってしまった








その若者は、あろうことか、Googleマップで場所を指定して







「樹海色々やべーーー、ガチで釣れる場所見付けてワロタwwwww」スレッドを上げる、上げてしまう




















Googleマップによって明らかになった「その場所」

沢山の釣り人が来る

金銀云々でなく、ただ、釣れるが為に













































池の遠く、誰も近づけない様な場所に、一つのライフジャケットが浮いている























































ライフジャケットを捨てた黒い瞳が見つめているのは、沢山の釣り人

その瞳に宿るは、怒り、悲しみ、苦しみ























怨念


































「樹海色々やべーーー、ガチで釣れる場所見付けてワロタwwwww」スレッドは、いつしか伝説のスレッドとなる

「その池で釣りをした者は死ぬ」
という、噂を遺して







実際に、その池で釣りをした者が、次々と謎の死を遂げたのだ





場所も明らかになっている為に、とあるTV番組で霊能力者が赴いた




高名な霊能力者によると




「いや、全っ然意味分かんないけど、とにかく釣り人をクッッッッソ呪う神がいる………」との事










そんなTV番組を観ながら、手を叩いて大笑いする男は、今も南の島で、銀の相場を毎日眺めている