【星に願いを…】

 

冷たく澄んだ空気がまとう夜の海。

ふと見上げた先に流れる星を見て、年甲斐もなく何を願う?

この想いが届けと、募る想いを三回唱えてみれど、ただただ空しさが残るだけ。

 

 

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・・・おぉい・・・勘弁してくれぇ・・・

 

 

私は久々にアドバイザーのミスターとアイナメ・カレイ釣りの予定を立てていた。

一足先に現場に入り、釣りをしている予定だった私に強いられるお天道様からの嫌がらせ。

 


・・・

 

ええい!雨がなんだ!雨なんていつもの事だ!

私は雨だろうが釣りはするからな!


 

だいたいね・・・「雨」ごときで釣りを断念するなんて心構えなら、事私に至っては釣りなんてとっくにやめた方が良いくらい、雨率は高めなわけよ・・・

 

今更「雨」が降ったからってなんだっていうわけさ!

お天道様よ!私は雨くらいじゃ屈しないからな!わははは♪

 

すると、追い打ちをかける風・・・

 


 

ぐ・・・風は厄介だよ・・・

しかしね、風は釣り人にとってはやっかいだけど、海の底の魚を釣ろうとしてるわけだから、今風が吹いたからって影響はないぜ!

ならば、置き竿にして車で待機してれば、雨だろうが風だろうが全然大丈夫!

 

そんなわけで仕掛けをセットし、車に待機!

 

どうだ!

お天道様よ! これで、エンドレスに釣りをできるぜ!

ミスターが来るまでの時間、これで待ってやる!

 


 

 

数分後

 

・・・雪はダメだよ。

 


 

 

 

・・・とりあえず、車の中で待った。

 

・・・雪が止むのを待った。

 

・・・竿先が揺れる瞬間を待った。

 

・・・ミスターが来るのを待った。

 

 

・・・しかし、待てど暮らせど募る想いとは裏腹に、どれも叶わなかった・・・。

 


 

あまりの寒さと寂しさで、流れ星でも流れるもんなら必至で三回唱える自信があるほど、それらを願った・・・

 

 

・・・そんなこんな時間を潰していると、最近よく眠れていないせいか、急に眠気が襲い・・・車で落ちた。

 

 

 

しばし時間が経った頃… ミスターから「間もなく着く」と連絡が。

気が付けば空も晴れている。


 

あの一人の苦しい時間はいったい何だったのだ…

納得がいかない・・・

晴男と、雨男のアドバンテージが違すぎる!

 

なんで、ミスターくる頃にいい感じに場が整うわけよ!納得いかないよ!理不尽だよ!

一緒に雪の中、ブルブル震えて「今日はダメだったね・・・」って言うつもりだったじゃない!

なんで、心がへし折れてから晴れるのよ・・・

もう気力なんて残ってませんよ!

今から釣り!?

無理無理無理無理!!!!

 

・・・ミスター・・・今日は釣り中止にしましょうか・・・ってメールを送ろうとした時だった・・・

ミスターが来た。

 


【ミスター】

 

ミスター「どう?釣れてた??」

マチャ「え・・・あ・・・はい・・・ はは。」

 

・・・。

 

 

 

 

その後、我々は、青イソメをエサにブッコミ釣りをしているわけだが、兎にも角にも魚信が来ない。

 


 

ただひたすら繰り広げられる企画会議は、それはそれで面白いのだが、たまには竿先が揺れるのを見てみたいと思うのは釣り人の性でもあろう・・・

 

 

 

・・・が、その願いは届かない。

 

 

頼む・・・どんな魚だってかまわない・・・なんか釣れてくれないか?

 

 

二人の祈りは続く。

 

 

募る想い、叶わぬ願い、揺れぬ竿先…

 

いったいこの状況をどれくらい過ごしただろうか・・・

 

 

 

結局そのまま終了の時間。

 

 

雪が積もる竿のグリップが異常に冷たく仕掛けの回収が非常に苦痛であった。

しかし、我々の苦悩をあざ笑うかのような出来事がこの後起こる事をこの時点で二人はまだ知らない。

 

 

私が仕掛けを回収した時の事だった・・・

 

 

マチャ「あ・・・。」

ミスター「どうした? あ・・・」

 

 

仕掛けには、流れ着いた☆が付いていた。


 

ざわざわとする二人の間の空気。

 

 

他の仕掛けを回収すると・・・

 

あぁ・・・


 

ミスターの方も・・・

 

そんなぁ・・・

 

 

 

釣れるわけねぇ・・・お前達がエサに覆いかぶさっていたら魚なんて釣れるわけねぇ・・・(涙)

 

 

あまりにも遅足の流れ☆達・・・まるでスローモーションの流星群の如く、我々の仕掛けに流れ着いたようだ。

 

 

 

私は流れ着いた☆達にたまらず願いを掛けた。

 

 

 

 

 

「・・・もう、二度と釣れないでください。」

 

 

 

 

・・・。

 

 

 

 

 

先程まで悪天であった空は、すっかり晴れ、綺麗な星が瞬いていたが、私達はその星を見ては、いまここに流れ着いた☆を連想してしまい、「綺麗だな…」等と微塵も感じる事はなく釣り場を後にした。

 

 

 

皆さん。流れ☆を見たら何を願いますか…

(朗報:この流れ☆なら、願い事を3回唱えるくらいわけないです。)