【思い出の「タニシ汁」】

「ほら、マチャ!それがタニシだぞ。 じいちゃんはこれが大好きなんだ。」

「ね~、じぃちゃん。ザリガニの方がいいよ! ザリガニ取りに行こうよ!」

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・・・・

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はっ!!・・・

 
・・・。

 
今、こんな事を思いだすのは、きっと盆中だからであろう。

 

そういえば幼い頃・・・じいちゃんに連れられていった田んぼには、至る所にタニシがいた。

 
子供の頃は、あまりにも当たり前すぎて貴重とも思わなかったし、水辺にはもっと魅力的な生き物が沢山いたので、タニシに夢中になる事はなかったが、それでも田んぼに水が無くなる季節は、他に生き物もなく、それでも生き物が好きな私を、じぃちゃんが釣れ出したのは田んぼのタニシとりだった。

 

これを私は幼い頃に食べさせてもらった記憶があるのだ。

 

そして、私の記憶ではとても美味しかったものと記憶している。

 

しかし、どんなもんだったかと言われれば思い出せない。

・・・

・・・

そうだ、せっかくの盆休みだし、もうずっとタニシなんて食べなかったから、思い出したついでに食べてみよう!
そんな事を思い、じぃちゃんに連れて行ってもらった田んぼを思い出しながらタニシを取りに行った。
ここらへんだよな・・・

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記憶をたどり見た景色は、あのころのままだった。

何も変わらない。

DSCN5083 子供の頃に感じたワクワクが戻って来たようだった。

 
しかし、田んぼを覗くと・・・

 
いねぇ・・・

 
タニシがいねぇ・・・

 
タニシは以前はいくらでもいたのに、田んぼに農薬を沢山つかった時代に激減。

 

あれだけいたタニシが姿を消してしまっていた。

 
いくつも、いくつも田んぼを見て回る。

 

これじゃとてもタニシ汁は作れない。

 
もうタニシ汁は食べられないのか・・・

 
今年は猛暑で、田んぼの水も干上がっていて、至る所にザリガニが暑そうに水を求めて、小さな水たまりに密集している様子がうかがえる。

 
これじゃタニシも自由に動けない・・・

 
なかば諦めかけたころだ。

 
綺麗な水が引いてある田んぼを見つけた・・・期待して覗いてみると・・・

 
いた! いたよタニシ!!

 
見つけた!タニシのいる田んぼ!

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いたぁ~!

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中型のタニシだけど沢山いる!

 
少しだけタニシを頂戴した。

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これで、思い出の「タニシ汁」を作ろう。

 
しかし、このタニシはとってすぐには食べられない。

 
「泥吐き」といって、綺麗な水に一日入れて置きタニシに泥やら何やらを吐き出させる。

 

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これをしないととても食べられないが、これをやりすぎても身が痩せて美味しくなくなってしまうという。

 

泥吐きは一日に限る!・・・と言われた。

 
綺麗な水に入れても、泥吐きさせると水がめちゃくちゃ汚くなる。

 
これを見て「本当に食べれるの?」と思うレベルだ。

 
しかし、心配無用!

 
このタニシを私はいったいどうやって食べていたのかというと「タニシ汁」という、いわゆるタニシの味噌汁だ。

 

あくまでも記憶だが、私が好きなシジミやアサリよりも美味しかったように思える。

 
そんなこんな一日泥吐きをさせた。

 
泥吐きが完了したので、調理を開始するとしよう。

 

作り方は簡単。

 
味噌汁を作るだけ。

 

シジミ、アサリとなんら変わりません。

 
茹でこぼして、味噌を入れるだけ!

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ダシは、タニシからしっかりでるので無用!

 
そして、完成!

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感動した・・・子供の頃に戻った気分だ。

 
久しぶりだ・・・

 
懐かしい味をいざ・・・

 
まずは汁をすする。

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・・・・うん!美味い!

 
これだ!

 
これがタニシ汁だ!

 
そして、タニシ汁のメインは、タニシの身だ!

 
これを爪楊枝でくりぬいて食べる!

 
うん・・・

 
久しぶりにやったから上手くくり抜けなかった。

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たまに子供のタニシが入っていて、シャリシャリとした食感が癖になるんだよね~!!

 
それでは、タニシ・・・

 
いざ!

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いただきます!

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・・・・これだ・・・
これだよ!!!
美味い!

美味いよ!!
久しぶりに、しみじみと昔を思い出しながら食べたタニシ汁はあの時と同じ味がした。
最高に美味しかった。

きっと、親戚達がいなかったら、思い出が溢れて涙が流れていただろう。
家族や親せきに振る舞ったが、みな声をそろえて「懐かしい」と喜んでくれた。

 

皆、それぞれの想いがある。じぃちゃんに教わった、思い出の「タニシ汁」
私がこれからは後世に伝えていこう。
またいつか誰かに振舞いたいものだ。
2016.08.14